かがやく☆あいちの表彰・認定企業
あいち夢はぐくみサポーター
イイダ産業株式会社
本当の「仕事」を感じてもらうことも、地域貢献の一環です。
イイダ産業株式会社
ゴムや樹脂を発泡させる技術を使い、自動車の快適性を高める防音材や制振材などを開発製造。近年ではその技術を応用した住宅用防音財や、家具や墓石、重要文化財などの耐震マットの製造なども力を入れている。
イイダ産業株式会社
前田晃宏様
前田晃宏様
レポーター
名古屋外国語大学2年外国語学部英米語学科 渋谷京香さん
愛知県立大学看護学部看護学科 安藤咲さん
「あいち夢はぐくみサポーター」とは?
愛知県内の公立小・中学校、高等学校、特別支援学校におけるキャリア教育を推進するためのサポーター認定システム。学校の教育活動の支援に積極的な県内の事業所や団体を、愛知県教育委員会が認証・登録しています。
Q.なぜ、キャリア教育を支援するサポーター制度に立候補を?
制度がはじまる前から、社長の考えもあり、地域貢献には力を入れていました。例えば、従業員のお子様が通う小学校に図書やデジタルカメラを寄附したり、地元・稲沢の夏祭りに積極的に協賛したり。その一環として、高校生のインターンシップも受け入れていたんです。制度に申請したのは、より多くの学校に、私たちの取り組みを知ってもらいたいという思いからでした。実際の仕事では、現場で作業をすることもあれば、デスクで書類を書くこともあります。それと同じことを社員と一緒に体験してもらうことで、本当の「仕事」がどんなものかを肌で感じてもらっています。
Student's view
文系の私は、ものづくりに触れる機会が少なかった上に、工場を見学するのも初めてでした。イイダ産業のはじまりは仕出し屋で、そこでつくっていた「練り物」の製造技術を、今の製品に応用したとのこと。その発想の転換や、ものづくりへの真面目な姿勢が印象的でした。
Q.認定企業になり、社内外に変化はありましたか?
学校から来るインターンシップの依頼が、ぐっと増えました。キャパシティの問題ですべての受け入れができず心苦しいですが、認定されたことで学校への知名度は上がったと感じています。高校生を教える役目を任された、若手社員にもいい影響がありました。ほとんど「教える」という経験が初めての者ばかりだったので、その楽しさや難しさを感じられたと思います。最初は緊張していた高校生たちが、終わる頃には「楽しかった」「仕事のことが分かった気がする」と言ってくれると、教える側としてはやっぱり嬉しいですよね。
Student's view
学生にとって、インターンシップは企業を肌で感じることができる貴重な機会です。興味を持った企業とつながる機会の増加、さらには就職後のミスマッチを減らすためにも、学生を積極的に受け入れてくださる姿勢はとてもありがたいと思います。
Q.よりよい企業を目指して、取り組んでいることは?
魅力的な企業は、「夢」や「目標」を持っていると思います。企業だけでなく、従業員それぞれの目を輝かせていたいなと思います。もちろん、会社を継続するための安定性や成長性、収益性などの基盤がしっかりしていることは前提です。いつも社長とは「100億企業を目指そう!」と言っています。そのためには研究開発に力を入れて、海外展開も進めていきたい。大きなことを言いながらも、イイダ産業は健全に成長してきた会社なので、主力である自動車業界の動向を見ながら、慎重に確実に、目標に向けて成長していくつもりです。
Student's view
決して大きい会社であることが理想像ではない。長く続く企業を目指して「新たな取引先探し」「人材を大事に、技術を継承すること」「工夫できる人材を育てること」に力を注いでいる、そのありきたりではないビジョンに感銘を受けました。
Q.入社したら、どんなふうに働けますか?
「目標」の話が出ましたが、イイダ産業では従業員それぞれが1年間の目標を立てて、毎月上司と確認をしながら進めています。年に1度の社長面談もありますが、これは評価のためにある面談ではなく、どちらかというと「会社のトップに言いたいことを言う場所」。約200人以上の社員と話し終えるのに、毎年2~3か月かかるんですよ。そのように従業員の意見を積極的に取り入れる“ボトムアップ経営”なので、新入社員も主体性を持って動いてほしいと思います。私自身、就職活動のときから採用の仕事がしたいと言い続けて、1年目から人事の仕事に就かせてもらえて、毎日楽しく仕事をしています。
Student's view
社長自らの熱い思いを聞く機会があったり、一人一人が社長と話すチャンスがあったり。純粋に「かっこいいな」と感じました。企業が「夢」や「目標」に向けて真剣に取り組んでいるからこそ、社員も会社や仲間とともに、成長していけるのだと思います。
社内の様子から、1番強く感じたのはアットホームさ。また話の中で、ひしひしと感じたのが前田さんのイイダ産業への“愛”でした。私も前田さんのように、将来働く会社のことを大好きだと、今の仕事が楽しいと、胸を張って言える人になりたいと強く思いました。
社内の様子から、1番強く感じたのはアットホームさ。また話の中で、ひしひしと感じたのが前田さんのイイダ産業への“愛”でした。私も前田さんのように、将来働く会社のことを大好きだと、今の仕事が楽しいと、胸を張って言える人になりたいと強く思いました。
編集後記
就職活動を控えた私にとって、自分の目で見て、耳で聞き、肌で感じ、ものづくり産業が盛んな愛知で実際に働いている方とつながりを得られたことは、大きな転機でした。今回の取材を通して、私は愛知と世界をつなぐような仕事に携わりたいと強く思うようになり、未来に向けて大きな1歩を踏み出せたと感じています。貴重な体験とお話を、本当にありがとうございました。